SCRUM-JAPANの報道について

名古屋第一赤十字病院 呼吸器内科の高納崇です。当院での診療に直接関わる内容ではありませんが、愛知県で第2位、全国で17位という肺癌の治療実績(2015年DPC調べ)の癌拠点病院のスタッフとして、当該施設に問い合わせが殺到しているというニュースが御座いましたので、この場を借りてご連絡したいと思います。

5月27日にANN系列で放送されたサタデーステーションにおいて「希少肺がん及び大腸癌の遺伝子スクリーニングネットワーク SCRUM JAPAN」についての報道がありました。

このプログラムに参加するには、現在癌の治療を担当していただいている主治医に相談するか、お近くのスクラム・ジャパンに参加している病院まで、スクラム・ジャパンに参加したい旨、お問い合わせください。ただし、臨床試験に参加するには条件があり、必ず参加できるとは限りません。

SCRUM-JAPAN HP:

肺癌の原因となる癌遺伝子について、代表的なものは下の図に示したようなものがこの程度の頻度でみられることがわかっております。

このうち最も頻度の高いEGFR遺伝子変異、やや頻度は少ないですがALK融合遺伝子並びにROS1融合遺伝子を持っている肺癌に関しては分子標的治療薬の高い有効性が示され現在肺癌診療ガイドラインにも治療指針が示されており、肺癌の診療を行う期間病院においては既に当然のこととしてこれらの遺伝子異常を調べた上で治療方針が決定されており、遺伝子異常を持つ患者さんにおいてはそれらの薬剤のなかった時代(わずか10年ほど前ですが)と比較して少ない副作用で高い効果がみられています。(EGFR遺伝子変異ではイレッサ、タルセバ、ジオトリフ。ALK融合遺伝子ではザーコリ、アレセンサ、ジカディア。ROS1ではザーコリといった内服薬を使用します。)

これらの遺伝子異常は互いに排他的(2つの遺伝子異常が同時に存在する可能性は限りなく低い)とされていますので、どうしてもSCRUMに参加したいという方におかれましてもよく主治医の先生と相談頂き(既に遺伝子異常がある患者さんが参加してもメリットがないと想定されます)、本当に参加してメリットがあるかどうかを確認することをお勧めしています。

またこれらの遺伝子異常が全て陰性の患者さんでは、さらに腫瘍に発現しているPD-L1という分子の発現量を調べることで、免疫チェックポイント阻害薬という全く新しい分野のお薬が適応になる可能性もあります。(これについてはまた別の機会で)

肺癌の治療は日々進歩していますが、依然として最多の癌種で死亡率も1位となっています。当院の近隣から日赤にいらっしゃる患者さんを拝見することがしばしばあり他人事では済まない状況です。くれぐれもご通院の患者さんにおかれましては禁煙と定期的な検診をお願いしたいところです。

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