マイコプラズマ肺炎が増加しています。

今度はマイコプラズマ肺炎の流行のニュースです。昔からオリンピックの年に流行ると言われていたマイコプラズマですが、最近はその傾向が薄れているかと思いきやしっかりと今年はオリンピックの年でしたね。すいません、その理由はわかりません。

マイコプラズマは肺炎の中では珍しく人から人へ感染することが知られておりますが、細菌でもウイルスでもない病原体なんですね。感染力は比較的高いとされていますが手指に付着しても石鹸洗いでもすぐ死滅してしまうので、比較的濃厚に接触した場合に感染が成立するようです。(家族内での感染や学校で席の近い人からの感染が実際の所多いです。)

また感染して発症するまでの潜伏期間は2週間程度とされますが、実際にマイコプラズマに暴露されても肺炎を発症する確率は2~3%程度です。 マイコプラズマを人にうつす可能性が最も高い期間は、発症の8日前~発症後2週間であると言われており、比較的長い期間に渡り人にうつしてしまう危険があります。

のどの痛み、頑固なカラ咳(痰が少ない咳)に続いて発熱したら要注意です。

重症化することは肺炎球菌性肺炎に比べれば多くはないですが、やはり疑ってかからないと診断が難しいです。レントゲン検査では多様な陰影を取りますのでこれが絶対にマイコプラズマだと言った特徴はありませんが、通常の細菌性肺炎と比較してうまく言葉で表現できませんがなんとなくそれっぽい、というものがありますね。発熱や体の消耗感の割に採血検査では炎症反応が軽度で、白血球増多を伴わない場合も少なくありません。迅速抗原検査や血清の抗マイコプラズマIgM抗体を測定して確定診断しますが、実際の所それらの感度が低い(偽陽性が多いという事です)ため、症候から疑う事が大切になってきます。

治療は第一選択としてマクロライド系抗菌薬(代表的なお薬として「ジスロマック」)を使用します。ニューキノロン系抗菌薬やミノサイクリン系抗菌薬も有効ですが、通常の肺炎に最も肺炎に多く使用されるペニシリン系抗菌薬、セフェム系抗菌薬は無効です。(ただ大きな病院でセフェム系抗菌薬も併用される場合がありますが、それは通常の肺炎を起こす細菌との混合感染を考慮してのことです。)

治療で解熱が得られても、1か月以上にわたって咳が残ることが多く面倒な病気でもあります。

ここ数週間、第一日赤の呼吸器内科医の間でも「今年はマイコプラズマ多いよねぇ」という話題になる事がしばしばありますが、1)実際の所近隣の医療機関に咳と発熱で受診→2)感冒薬の処方で経過観察→3)2,3日経っても解熱しないのでレントゲン、採血検査→4)肺炎と診断されたが採血検査で炎症反応CRPの上昇が軽度でしかも白血球増多も見られないから抗生物質の内服もしくは数回の点滴→治らないので大きな医療機関へ紹介、という例が散見されています。

初診の時点でよほどでなければマイコプラズマとは診断しにくく、また迅速抗原検査や血清の抗マイコプラズマIgM抗体は先に述べた通り偽陰性が多いのが難点です。ですので近隣の医療機関での対応としてはなかなか難しいことが多いのが現状ですが、積極的に疑う事で的確な診断を心掛けたいものです。

なお最近は第一選択薬のマクロライドに耐性を示すマイコプラズマの報告も散見されるようになってきており、近い将来に於いては今までのように一筋縄ではいかなくなることも予想されています。困ったものです。

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