肺炎と健康寿命


突然ですが、日本に於いて健康寿命は平均寿命に対して男性で9.02年、女性で12.4年も短いのが現状です。いかに健康寿命を平均寿命に近づけるかが重要な課題となっています。もちろん昨今の医療費高騰を抑制する効果もありますが、やはり個々人において生活の質を保ってより良い人生を歩んで頂く事が最も大切なことですね。

65歳以上の高齢者に於いて最も健康寿命を短縮する原因のひとつが肺炎です。多種多様な抗生物質が使用され肺炎は治って当然と一般では考えられていますが、肺炎に罹患すると重症度にもよりますが高齢者の多くは入院することになります。すると1~2週間臥床することになり、足腰の筋力が明らかに低下することで日常生活動作がしにくくなります。動きが悪くなることで心身の機能が低下し徐々に寝たきりに近づいて行くのです。さらに嚥下機能(食べ物を飲み込む力)も低下していくことで誤嚥性肺炎を繰り返すようになっていき、また入院→以下繰り返し、の悪循環となります。

ということで肺炎は非常にやっかいな病気なのですが、意識調査では国民の皆さんが最も罹患すると困ると心配している病気の1位:悪性腫瘍、2位:脳卒中、3位:虚血性心疾患となっており、肺炎は遥かに下位であるそうです。75歳以上の高齢者の死因の1位でもあるので、この辺りの意識も国を挙げて啓発が必要なのかもしれませんね。

ちなみに肺炎により入院すると、1日当たりの入院費用48506円×平均入院期間14.6日=総額708189円となり3悪負担で212,457円かかるとされています。(国内データ推計値より)

また入院により認知症発症のリスクが2倍に上昇することも明らかになっています。

ですから肺炎になるリスクを下げる必要があると考えられるようになるのは至極当然の事ですね。

下のグラフから分かる通り、統計でも5歳以上になりますと明らかに肺炎の罹患率が増加し、年齢を重ねるごとにさらに増加することが明らかになっています。

さらに慢性閉塞性肺疾患(COPD)・気管支喘息と言った慢性呼吸器疾患の合併がある方では罹患率が4~6倍、慢性心不全や虚血性心疾患などの循環器疾患では3.8倍、糖尿病では2.8倍となることが分かっています。

以上のことから、健康寿命短縮のまず最初の原因として多い肺炎を予防する重要性が御理解頂けたと思います。

そのための肺炎球菌ワクチンということになりますので、次回はワクチンについて少々詳しく解説できればと思っております。

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